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エリアガイド

ボルダリングツアー in ニュージーランド

キャッスルヒル

ボルダリングツアーといえば、フランスのフォンテーヌブロー、アメリカのビショップ等が日本でも有名ですが、世界各国にはたくさんのボルダリングエリアが点在しています。

日本にいても、ボルダリングビデオ等で簡単に世界各国のエリアを垣間見る事ができますよね!
しかし数多くのビデオでも、なかなかニュージーランド(以下N.Z)の映像を目にする機会は少ないかと思われます。
そんな中で、2001年夏に発売された、”frequent flyers”(obe&boonの世界一周ボルダーツアーのビデオ)で、N.Zのキャッスルヒルというエリアが紹介されていました。

見た瞬間に、「絶対ここへ行きたーい!!」
課題の質はどんなものか全くわからないものの、とにかくシチュエーションが最高!
緑の芝生の中に無数の白い岩が贅沢にもそこらじゅうに一杯!
N.Zクライミング情報は全く無い状態(ビデオ映像のみ)でしたが、とにかく行きたい!

この気持ちをクライミング仲間にぶつけると、ラッキーな事にN.Zでワーキングホリデーを経験した人がN.Zツアーに賛同してくれました。おまけに、旦那さんもN.Zへバイクで1人旅をした事があるとか、話はとんとん拍子に進み、冬休みの11日を使ってのN.Zツアーが現実のものとなりました。

N.Zのクライミング情報を知っている人は殆ど皆無でしたが、同行する仲間の友人が現地に住んでいる事から、トポをgetしてもらう事ができました。情報が皆無だったにも関わらず、N.Zから送られてきたトポには、エリアいっぱい、課題満載でした。「こんな立派なトポがあるとは!」(トポはN.ZのOutdoor StoreでNZ$49でgetできます。行かれる方は入国後必ず入手して下さい。トポ名:SOUTH ISLAND ROCK 全495ページ)
ビデオとトポ情報をgetしていざN.Zへ!

N.Zはご存じの如く、北島と南島の2つの大きな島からなる国です。
国土面積は日本の約7割に対し、人口はたったの360万人!そのうえ羊の数は人口の15倍!!
つまり、ほとんど自然のままで羊さんの住み易い芝生が一杯です。(まるで人間がほんの少し住ませてもらっている様です)街から街へは羊や牛を横目に、ひたすら車で走り続ける感じですね。

日本からは飛行機で10~11時間で、時差は3時間。
交通は鉄道を使うより断然レンタカーですね。
宿泊は町中はバックパッカーズが安く、郊外へ出ればキャンプが快適!どこへ行ってもシャワー、キッチン(冷蔵庫、コンロ付き)の揃ったキャンプ場(めちゃきれい!)があり、1人NZ$10前後(NZ$1=約50円)で利用できます。(私達はキャンプ場巡りしてきました)
ただし、現地は夏だったせいかよく雨が降ったので、雨が苦手な人はキャンプ場内のコテージもありますよ!(とっても快適です。)
気候は夏冬が逆転しているだけで、日本とよく似ていますが、ビショップ(アメリカ)より乾燥せず、日本より湿気が少ないというのが私の感じたところです。つまり快適。(ただし1日の寒暖の差は結構あるので気を付けないといけません。)
最大の注意点は、気持ちがいいからといって裸族になってボルダリングに熱中していると、皮膚ガンになる恐れがあります。
悲しい事に北半球の先進国の出しているフロンガスが、南半球の小さな島国の上空にオゾンホールを作ってしまったそうです。
でもご安心を、日焼け止めを全身に塗れば裸族もOK!かな?私達も塗りまくって裸族してきました。

今回はトポ名の通り南島(キャッスルヒルも南島)へ。
ま ずは飛行機で南島最大の街クライストチャーチに入り、レンタカーに乗り込んで最大の目的地キャッスルヒルへ。(キャッスルヒルへは車で約1時間強。)

キャッスルヒル、そこはまさにボルダー天国!
青い空と延々と続く緑の芝、そして無数に散らばる石灰岩!
ビデオで見た感動の、何十倍もの感動です!!
とにかく岩が…すごいたくさん!!!
遠くで見ると良さげな岩も、近づくと10m級の巨大な岩、遠くで見るとゴミの様な石ころが、近づくと手頃なボルダー!と感じる程無数の岩が!
しかもランディングは9割以上(10割?)が芝生!
ハイボルじゃなけりゃ「マット要らないんちゃうん?」(マットを敷くのに咲き乱れるお花さんを潰してしまうので心が痛みます)
ほんとにボルダー天国っす。

Castle Hill BasenのQuantum Fieldがメイン?のエリアのようで、トポには854ものボルダー課題が載っているのですが、リード(ボルトルート)もあれば、トポ課題以外にもいくらでも作りたい放題!一体いくつの課題ができるのだろうか?
しかもQuantum FieldはCastle Hillの一部!
Quantum Fieldでトポとにらめっこしても、自分がどこにいるのかわかるのに半日掛かった程。想像以上にでかい!ほんとにでかい!残念ながら何カ所かのエリアには、踏み入る事すらできませんでした。
課題は石灰岩にしてはマントル系が圧倒的に多く、大きな奇怪な形状が目につきました。とにかく形状が様々なので、色々な種類の課題が設定できて、どんなレベルの人も、どんな好みの人も楽しめるでしょう。

その他の岩場

私達はキャッスルヒルの他に、3ヶ所のボルダリングエリアと1ヶ所のリードエリアに行ってきました。 以下簡単に紹介します。

Elephant Rocks(エレファントロックス)

クライストチャーチから半日ほど車で南へ行くとTemukaという街があり、その近くにあるDuntroonというエリアのこれまた一部のエリアです。

岩質:石灰岩

Quantum Fieldほどではありませんが、広いエリアには変わりありません。
牧場のなかに大きな象の様な岩が目印。Quantum Fieldより顕著なホールドが多く、個人的にはお気に入りのエリアのひとつ。


Wanaka(ワナカ)

Duuntroonから車で3時間程南下した美しい湖のある町。町から数分車で走るとリードエリアが点在しています。SOUTH ISLAND ROCKのトポには載っていませんが、地元ワナカのOUTDOOR STORESでワナカのトポをgetできます。

岩質:不明

リードは2本しか登っていないので、多くを語る事はできません。殆どボルトルートの様ですが、海外の例に漏れず、ランナウトは覚悟して下さい。
9日間連続ボルダリングの為、レストを兼ねてリードをしに行ったのですが、なんとルートの横にいい感じのボルダーが!これまた最高のかぶりで、難しくはないのですが(3級ぐらい?)超おもしろい課題ができました。


Queens Town(クィーンズタウン)

ワナカから車で1時間強南下すると、ワカティプ湖という大きな湖の畔にある観光地。トポによるとルートのエリアは載っているのですがボルダリングエリアは載っていません。地元のShopに訪ね、リマーカブルズという山の麓の牧場のボルダリングエリアに行きました。

岩質:不明

これまた牧場、羊さんの群を掻き分けていくと、ありました見事なボルダーが。(帰国後ROCK&ICE誌の広告?を見てびっくり!あの岩が載ってる!)雨の為3つの岩しか登れませんでしたが、いい!いいんです!ひとつひとつの岩に何課題もラインが引けて、いろんな傾斜も楽しめて最高でした。


Mt. Cook Village(マウントクックビレッジ)

南島の中心に位置するN.Z最大の山マウントクック。この山の麓のビレッジの周辺に、ボルダーがぽつぽつと点在。

岩質:不明

トランピングルート(ハイキングルート)を少しそれたところにある大きな岩を登ったんですが、雨の為4課題ぐらいしかできませんでした。個人的にはボルダリングの為だけにここまで行くのはチョット…って感じでした。(レストを兼ねての観光気分だったので丁度良かったですが。)キャンプ場は良かった!

以上の様に9日間で南島をぐるっと一周してきました。Mt. cook以外は、どれもまた行ってみたい魅力的なボルダーがてんこ盛です。どのエリアもボルダラーは殆ど居ず、のんびりとした大自然の中でボルダリングを満喫できます。
また、日数的に少ない人でも、キャッスルヒルだけで十分楽しめると思います。(裏情報によると、岩場の側にタダで泊まらせてくれる施設があるとか…)
私自身、海外クライミングの経験は少ないのですが、環境と岩の多さで、世界でもトップクラスのボルダリングエリアじゃないかな?と思えてなりません。

海外ボルダー好きの方は、ぜひ一生に一度はNew Zealandへ行ってみて下さい。損はしませんよ!

01年冬 森寛