PUMPが誇るアスリート
藤井 快
樋口 純裕
自身が使う愛用シューズについての
最強レビューが降臨!
是非一読を!!
《adidasFiveten Hiangle Pro》
ここ最近良く履いているハイアングルプロ。
近年のクライミングではハリボテやのっぺりしたホールドを踏むことが増え、足首の柔軟性や足裏感覚などがより重要になってきました。
僕は足首の可動があまり良くなく、ハリボテに乗るようなコーディネーションやスラブが大の苦手でした。
ですが、この靴は柔らかい分ベタッとホールドやハリボテに自信を持って乗ることができるようになりました。
「万能か」と聞かれたら「そうではないかもしれない」と答えますが、コンペ時には助けになるシューズです。
しかし、ヒールフックは繊細に行わないとかからないことがあるかもしれません。シューズの剛性でヒールをかけることは難しい、と僕は感じました。
ですが、しっかりコツを理解すれば問題なくかけられる様になりました。
僕は白いハイアングルと使い分けて登っています。
とてもお勧めできるシューズです。
サイズは白いハイアングルと同じで履いています。
《La Sportiva Solution Comp》
1ヵ月ほど使ってみたのでそのレビューを。
正直な話、初見では全く興味をそそられなかった。というのも、そのすぐ後ろでセオリーが控えていたのもあるし、ソリューションに対するイメージが初代のままで止まっていたからだ。
初代が悪かったということではない。むしろかなり完成度の高いシューズで、デビュー時からフューチュラに乗り換えるまでの間愛用していた。
じゃあ何がネガティブだったのかといえば、過度な剛性の高さとヒールのかかり方に不安を覚えたからだ。
いまはルートではフューチュラ、ボルダーではスクワマを使っているのだが、ジムで使うのにスクワマの剛性を超えるシューズでは面乗りに対応できないと感じている。
わかりやすく言えば、硬いシューズを履いて登ると滑りそうだということだ。
ヒールに関してはcompの形状はフューチュラと同じタイプなのでそこは安心なのだが、同じ形状のヒールカップはスポルティバのラインナップの中でも柔らかいシューズにしか採用されていない。
ソリューションのボディとこのヒールはバランスが悪いのではないかと思った。
結論、どれもこれも食わず嫌いというかとりこし苦労というか無駄な心配だった。
しばらく履きこんで感じた特徴は大きく2つ
・足首から下を包み込んでくれてる安心感
・初代顔負けのなんでも屋さん
というのがこのシューズに感じたことで以下はその詳細。
足入れは相変わらず良好なのだが、土踏まずから先が細い。新品の状態では押し込んで履くような感じになるが、何度か足を入れているうちにこの細さはあまり気にならなくなる。
フィット感はフューチュラやセオリーのように締め上げてくる感じではなく、足を包んでくれている感じがする。
これはこのシューズの剛性の高さとほかのシューズとは違う形状に由来するものだと思う。
剛性が高いというか、良し悪しは置いといてシューズの形がかなりはっきりしているので、柔らかいものより変形が少ない。
普通の靴でもスリップオンよりブーツみたいなものの方が包まれてる感があるように、変形が少ないおかげで足がしっかりと収まっている感じがする。
さらに、他のシューズと比べてハイカットになっているので、グラつきがちな踵と足首を程よくサポートしてくれている。
昨今流行りのハリボテに乗っていく動きや、コーディネーションで足が強く面にコンタクトする際に足関節が安定していることで、
面を踏んで立ちこんでいくときや、着地した瞬間に力を入れるときにほかのシューズよりも力のコントロールがしやすかった。
そういうクライミングが苦手な私だが、このシューズを履いてからは以前よりもそうした課題に取り組む意欲が出たし、少ないアテンプトで課題を登れるようになった気がする。
シューズ自体は硬めでスクワマのようなしなる感じはあまりせず、最初のうちはやっぱり硬いなぁと思った。
2,3日経つとシューズが少し慣れだし、1週間くらいしたころにはスクワマと同じくらい足の動きを追ってくれるくらいに柔らかくなった。
しかし、それ以上柔らかくはならずに1ヵ月ほど経ったいまでも一定の剛性を保ってくれている。
ふにゃふにゃにならないので、ちゃんと足置きができていれば細いエッジに強い力をかけて立ちこんでも抜けるようなことはない。
加えて適度な柔らかさもあるので面にベタ置きしても安心感がある。
安心感があるのはヒールも同じで、ソリューションシリーズで採用されてきた一体型の硬いヒールカップではなく、
フューチュラやパイソンなど、アスリートからも一定の評価をされているシューズと同型のものにすることで、
従来型では苦手だった横掛けやボリュームのあまりないホールドにもヒールが安心してヒールがかけられるようになった。
また、トゥーラバーの面積も大きくなり、多少ポイントを外したり、ホールドの形状やムーブの問題でアウトサイド側で掛けるようなトゥーフックもできるようになった。
compと銘打ってあるがきっと岩でもかなり戦力になるシューズなのではないかと思う。
個人的にはスクワマと結構似てるなと思う点が多かったが、スクワマと大きく違うのはやはりシューズの剛性だろう。
剛性が高いのはやはりソリューションcompのほうで、スクワマの方がよりしなやかに動くと思う。
足の動きをより細かに出してくれるのはたぶんスクワマ。ただし細かに出てしまう動きをコントロールしきる必要がある。
ソリューションcompは硬く安定性の方にスペックを振っているため細かな動きはスクワマと比べると見劣りするが、
余計な挙動が出にくいため、ビギナーの域はもうとっくに出ているがまだちょっと力量や技術に自信のない方や、
関節の安定性が男性に比べ乏しい女性にはスクワマよりも断然おすすめできる。
あとは、ボルダーだけでなくルートもやる方はソリューションcompの方が〇。
何回か書いているように剛性高いのでルートをやるにあたって長時間壁にいてもストレスが少ない。
小さなフットホールド踏んだ時に痛くないのも結構大事なポイントだと思う。
また、ジムのルートでも最近ではヒールもトゥーも出番が結構多いのでそうしたムーブの時も安定してこなすことができれば、
余計な力が入りにくいので持久力の余裕にもつながってくるだろう。
このシューズを選ぶとき、足を入れた際に先端が細いので、サイズ感で迷ってしまうかもしれない。
スニーカーを選ぶのも気を付けないといけないレベルで足幅が広い人はわからないが、幅感よりもつま先の詰まり具合とアキレス腱の付着部当たりのフィット感、
つまり縦のサイズ感を優先的に考えてもらうといいのではないかと思う。
また、使い古すまで履いてわけではないので何とも言えないが、あまり伸びるシューズではないと思うので、攻めすぎは良くないと思われる。
基本的にはスクワマと同じ、もしくはフューチュラのハーフアップがほどよいサイズ感だろう。
ちなみに私はスニーカー26.5cm、実寸25.5cm、フューチュラ39、スクワマ39.5、ソリューションコンプ39.5。
ただ私は、ソリューションcompは踵の周辺が少し余り気味なので薄い靴下を履いてちょうどいいくらいだった。
高性能と高耐久の両立、斬新なアイデアを取り入れつつつま先から足首まで全体のバランスが高い水準で整えられている。
使い込んでいってもシューズがヨレにくく、ソールの寿命まで履ききることができる。
ソリューションcompはTHEスポルティバな1足だと思う。