痛みのないクライミングを目指そう!ケガに関する豆知識 ~3~
こんにちは!PUMP新宿店ことパンプクライマーズアカデミーのフィジカルトレーナー、寺町です。
今回は、急性のケガをした時の対処法「応急処置」についてお話していきます。
捻挫や打撲などをした際に必要な応急処置が、RICE処置になります。皆さん、聞いたことはあるでしょうか?
スクールの先生や指導者の方は、生徒を守る為にも必要な知識となりますので、ぜひ読んでください。
RICE処置とは?
RICE処置とは、捻挫などのケガをした際に行う応急処置法です。
捻挫をした場合、関節・靭帯などが損傷して、患部の内出血が起こります。軽度の場合は腫れが目立たないかもしれませんが、重症になると一目でわかるように腫れが増してきます。
この内出血による腫れによって、患部の組織がダメージを受けます。そして、患部の組織が酸素不足に陥る原因にもなります。酸素不足が起こると、さらに組織の損傷が起こってきます。回復も遅くなります。
なので、予後を長引かせない為にも、ケガによる腫れを最小限に食い止める為に必要な事が、RICE処置なのです。
R【Rest】安静
ケガをしたら安静を保つことが重要です。足首を捻挫をしたら、極力、歩いたり足をつくのはやめましょう。
では、足首を安静にしておけば、他を動かして良いのか?と言ったら、そういうわけではありません。
全身の安静が必要です。なぜかというと、体を動かすことによって血のめぐりが良くなり、患部への血流が増加してしまうからです。
なので、ケガをしたら、患部・全身の安静を保つようにしてください。
I【Ice】冷却
患部を冷やすことですね。
冷やすことで2つの効果があります。
①痛みの軽減
これは、冷却することによって患部の感覚が低下し、強い痛みを緩和することが出来ます。
②腫れを抑える
冷やすと血管が収縮し血流が抑えられるので、腫れや炎症を抑えることが出来ます。
C【Compression】圧迫
ケガをした部位に適度な圧迫を加えることで、内出血や腫れを抑えることが出来ます。
冷却と圧迫は、氷嚢とバンテージを使うと、写真のようになります。
E【Elevation】挙上
ケガをした部位を、心臓より高い位置に挙上します。そうすることで、患部へ向かう血流を抑えることが出来ます。
この4つの頭文字をとって、RICE処置と呼ばれています。
安静・冷却・圧迫・挙上を行なうと、写真のような処置となります。
現場でRICE処置を行う前に
RICE処置を行う前に、まずは患部のチェックを行ないましょう。
1、ケガをした時の状況を聞く
足首が痛くなった時、着地で捻ったのか、壁に打ちつけたのか、それともクライミング以外でケガをしてしまったのか?などを聞くようにすることが大切です。状況を知ることで、ケガの程度も想像するようにしましょう。
スクールなどでは、受傷機転がわかるように、常に目が届くようにしておく事が理想です。
2、炎症症状のチェック
痛みの度合いを聞いたり、腫れや熱感、発赤などのチェックをしましょう。
腫れ・熱感・発赤は、痛くない側と比べてみるとわかりやすいと思います。
3、出血の確認
擦り傷による出血であれば、まずは止血をして、RICE処置をしましょう。
擦り傷ではない大きな出血で考えられるのは、開放骨折である。この場合、感染症の危険性がある為、極力患部を触らないようにします。むやみにRICE処置を行わず、早急に救急隊を要請することが重要です。
今回は、RICE処置についてお話ししました。
ケガをしないことが一番ですが、いざという時に応急処置が出来ると、症状を最低限に抑えることが出来ます。そして、ケガからの復帰も早くなる可能性がありますので、覚えておいて損はないと思います!
今後、この記事よりもさらに詳しく、RICE処置に関する講習会をやっていきたいと考えています。