腰痛に悩むクライマー必見!腰痛とクライミング③
こんにちは!PUMP新宿店ことパンプクライマーズアカデミーのフィジカルトレーナー、寺町です!
前回は、腰痛の改善・予防策をお伝えしました。(記事はこちら)
本日は、子供の腰痛についてお話していきたいと思います!
腰痛が起こるのは大人だけではありません。成長期の子供たちも腰痛で悩むことがあります。
しかし、大人と同じ腰痛だと思ってはいけません。
成長期特有の腰痛があり、その際の対応によっては、今後のクライミング人生が大きく変わる場合もあるのです。
特に、ジュニア選手を育てている保護者や指導者の方には、ぜひ読んでいただきたく思います。
成長期 ~子供から大人への移り変わり~
小学校高学年~中学生・高校生とかけて、体が大きく変化していきます。誰もが通る道、【成長期】です。
この時期は、急激に身長が伸びたり、体重が増えたり、見た目でもわかるほどの変化があります。性差も現れてきます。
また、見た目だけの変化だけではありません。目に見えない変化も現れます。柔らかい子供の骨から、徐々に硬い大人の骨へと変わっていきます。また、筋肉も徐々に発達していきます。
しかし、見た目(身長・体重など)が成長しているからと言って、体の中(骨・筋肉など)が成長しているとは限りません。
背が大人と同じくらい伸びたからと言って、骨が大人と同じ強度になっていると思うのは大間違い。
身長が急激に伸び始めるのが成長期前半(小学校高学年~中学生)だとしたら、骨の強度が高まってくるのは成長期後半(高校生以降)だと考えて良いでしょう。
成長期に多い腰痛「腰椎分離症」
実はまだ骨の成長が未熟である成長期。そんな成長期に多いケガは疲労骨折です。
過度な練習をしたり、骨に負担のかかるような動きを繰り返していると、疲労骨折が起こります。
スポーツをしている成長期の子供たちに多い腰痛である腰椎分離症も、疲労骨折の一種です。
腰椎分離症とは、脊柱を構成している脊椎の一種である「腰椎」が疲労骨折するケガです。
腰椎の後ろの突起部分にストレスが加わり、骨折によって分離してしまいます。
スポーツでの過度な腰への負担によって起こります。例えば、バレーボールのスパイクを打つような、腰を反らしたり曲げたりすることの繰り返し。
テニスや野球のような、腰を捻る動作の繰り返しなどによって、腰椎の後方部分にストレスがかかり、骨折してしまうのです。
症状がひどくなると長期間スポーツを中止しなければなりませんし、最悪の場合、手術が必要となる場合があるので、早い段階での対処が重要です。
クライミングにおいても、気を付けなければならないケガだと思います。
クライミングは、壁の中での体の位置が重要になってきます。より安定させるために、壁の中で体のポジションを合わせていく必要があります。
課題によっては、腰に負担のかかるような動きをしなければならない時もあります。体の硬さが原因で、無理な動きをしている人もいるでしょう。
お腹周りの筋力不足で、常に腰を反らせた姿勢になっているかもしれません。
課題だけでなく、指導方法によってもケガをしてしまう可能性も出てきます。
例えば、「もっと壁に張り付きなさい。」と指導する際にも、言葉がけによっては間違った動きを覚えてしまうことになるかもしれません。
どう対処していけばよい?
では、どのように対処していけばよいか。
成長期に腰痛を訴えたら、まずは整形外科に受診しましょう。
病院に行く暇もないし、痛くてもクライミングが出来てるから大丈夫かな・・・なんて思っていると、手遅れになってしまう可能性もあります。
スポーツ整形外科や、腰専門の先生がいる病院だと、より良いかもしれません。
早めの対処も大切ですが、「予防」が一番大切です!
クライミングでは、無理な動きをしなければならない時が多々あります。
その際に腰に負担がかからないように、体の柔軟性を高めたり、腰が反らないようにするための筋力トレーニングをすると良いと思います。
これは、競技志向の子供たちだけでなく、ずっとクライミングを楽しみたい子供たちにとっても、すごく大切だと私は思います。
また、指導者の言葉がけも、子供たちの状況を見て考えなければいけないと思います。
例えば、壁に張り付かせたい時に
「腰を壁に近づけなさい」と伝えるか、
「おしりを上げて」と伝えるか。
人は言葉で聞いた部分を意識しやすいです。腰だけを意識してしまうと、反るような動きになってしまいます。
腰以外の部分を意識させることによって、全身を使って壁に張り付く事が出来ます。
人によって言葉の受け取り方が違うので、例に出した言葉が正しいとは思いません。
私が伝えたい事は、「腰を反らすような動きが癖にならないように、保護者や指導者の方々に気を付けていただきたい」という事です。
腰痛とクライミングに関して、3回に渡って書きました。
次回は最後、「腰痛は温める?冷やす?」について、書いていきたいと思います!