クライミング上達の秘訣!「姿勢を整えよう」
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こんにちは!
パンプクライマーズアカデミーのフィジカルトレーナー、寺町です!
今回は、クライミングでもとても大切な「姿勢」についてお話したいと思います。
小さい頃、親に「良い姿勢で勉強しなさい!」とか、「良い姿勢で座りなさい!」なんて言われた経験のある人、多いと思います。
私もおばあちゃんに良く言われました。会うたび会うたび「背中を丸めないで、ピッと良い姿勢で立たないと」なんて言われていたものです。
おじいちゃんおばあちゃん、先人の言葉は偉大なものです。
近年、スポーツ界でも「姿勢」の重要性について多く言及されるようになりました。
競技力向上の為に、ウエイトトレーニングや専門的なトレーニングの前に、まずは姿勢を正すことから取り組んでいるスポーツチームだってあります。
おじいちゃんおばあちゃんはスポーツトレーニングの最先端を昔から子供たちに伝えていたのですね。
そもそも良い姿勢ってなに?
では、良い姿勢って具体的にどういうことでしょうか?
サルとヒトの違いって、中学一年生の歴史の一番初めに習ったと思います。
皆さん、わかりますよね?
え?体毛なんて答えちゃだめですよ。(中学の時、友人がテストで回答してました。笑)
そう、サルとヒトとの大きな違いは、直立二足歩行です。
これは、他の動物とは異なる大きな特徴であるといえます。
直立二足歩行を安定させるために、人の骨格や筋肉は大きく変化していきました。骨格で大きく変わったのが、骨盤の形や傾きと脊柱のS字カーブです。
人は脚2本で、胴体~頭までを支えなければなりません。内臓を下から支える為に、骨盤がお椀状に直立します。
また、直立二足歩行をする中で、前後左右の身体のバランスをとったり、動くたびに身体にかかる衝撃を吸収する為に、脊柱が緩やかなS字カーブを描くようになりました。
このS字カーブを描くことが出来るのは、脊柱が小さな骨(椎骨)と椎間板が連なっているからです。
良い姿勢がもたらすメリット
では、良い姿勢が体にもたらすメリットを考えたいと思います。
①身体の機能が正常に働く
姿勢が崩れていると、その周りの筋肉のバランスも崩れてきてしまいます。筋肉のバランスが崩れると筋肉が硬くなってしまったり、思うように筋肉を働かせることが出来ません。
しかし、姿勢を整えることで体全体の筋肉のバランスが整い、体を動かしやすくなります。
②呼吸をしっかりできる
猫背の姿勢では深呼吸がしずらくなりますが、良い姿勢だと胸郭を動かしやすくなります。
胸骨や肋骨の動きが良くなると、呼吸もしやすくなります。なぜなら、呼吸を行なう為の器官(肺)は、肋骨の中にあるからです。
呼吸は、体内に酸素を取り入れる大事な活動です。良い呼吸を行なうことが出来れば、体内の酸素も十分に供給され、頭も体も良い働きが出来るようになります。
③前向きな気持ちになれる
いつも下を向いているような悪い姿勢だと、なんとなく気分も滅入ってしまいがちです。
ちょっとした悩みでも必要以上に落ち込んでしまうかもしれません。
しかし、良い姿勢でいると自然と前を向くようになります。目の前の視界が開けると、気分も明るくなり、前向きな気分になれるでしょう。
クライマーにありがちな姿勢
それでは、姿勢の観点からクライマーを見ていきましょう。
ジムで多く見かける姿勢、背中の上側が丸まり肩や首が前にきてしまう、いわゆる「猫背」ですね。
このような姿勢は筋肉がしっかりついていて、力が強そうなクライマーによく見受けられます。
また、登っていると特徴が顕著にあらわれるのが、腰が反りすぎてしまう、いわゆる「反り腰」。
このような姿勢は子供や女性に多く、柔軟性が高そうなクライマーによく見受けられます。
実は、姿勢と登りは密接なつながりを持っています。
力が強く、腕や胸など前側の筋肉を使った登りが多い人は、前者のような猫背の姿勢になってしまうことが多いです。
逆に、あまり力を使わずに体を振って登るような人は、後者のような反り腰になってしまうことが多いです。
体の使い方によって筋バランスが崩れてしまうので、悪い姿勢へとつながってしまうのです。(筋肉の柔軟性や、筋力など)
クライマーが姿勢を改善するメリット
①腰や肩などの痛みの予防
例えば、猫背だと肩が前に出ている状態なので、肩関節の前側につまり感が出てくることもあります。また、反り腰だと、椎体の棘突起が衝突しあい腰に痛みが出ることがあります。
体がアンバランス=部分的な過負荷が起こりやすくなる ので痛みが出やすくなってしまいます。しかし、姿勢を整えることで痛みを予防できる可能性が高くなります。
②持久的要素が高まる、オブザベーション能力の向上(?)
良い姿勢では胸(胸椎・肋骨部分)の動きも良くなるので、呼吸がしやすくなります。呼吸の質が高まると、より多くの酸素を体内に取り込むことが出来るので、体内で酸素が不足する可能性が低くなります。
こういった観点から、持久的要素が高まると言えるかもしれません。また、頭にもしっかりと酸素が送られるので、もしかしたらオブザベ-ション能力も向上するかも!?
③メンタル面の強化
良い姿勢になると胸が前を向き、頭も下がらずに目線が前を向きます。
なかなか自信を持つことが出来ない、不安が消えないというクライマーさん、ぜひ良い姿勢をとってください。自然と、気持ちがポジティブになって自信につながる・・・かもしれません♪
強くなるための第一歩として、まずは姿勢を改善してみてはいかがでしょうか。
今後も、姿勢についての情報を発信していきますね~